vol.04 | 時計 おすすめ | Column | リズム製品情報

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時刻が正確なのはなぜ?
電波時計の仕組み

時計を見た時に、
いつの間にか時刻がずれていた
という経験をお持ちではないでしょうか。
ずれを直すのが手間になり、
家にいる時も時計ではなく
スマートフォンで正確な時間を
確認している方もいらっしゃるかもしれません。
時刻ずれに関する悩みを解消できるのが
「電波時計」と呼ばれるタイプの時計です。
ここでは、電波時計の特徴や、
正確な時刻を知らせる仕組みについて
ご紹介します。

01 | 電波時計とは?

電波時計とは、自動的に時刻やカレンダーの
修正を行う機能を持つ時計のことです。
1990年代から市販されるようになり、
現在はさまざまな商品が展開されています。
電波時計は、どのような仕組みで
正確な時刻を表示しているのでしょうか。

電波時計の特徴

電波時計は、
地上に設置された標準電波送信所から
常時発信されている「標準電波」を
受信することで、時刻を合わせています。
サマータイムやうるう秒などによる
時刻のずれも、自動で修正されるのが
特徴です。
基本的には、時間合わせを手動で行う必要は
ありません。
正確な時刻情報を受信し、
秒単位で修正を行っているため、
市販されている時計の中でも
高精度な時計といえます。

勘違いされることもありますが、
電波はあくまでも時刻を合わせるためだけに
使われています。
駆動自体は乾電池やソーラー電源の
エネルギーで行うため、
電波を受信できる環境で一生動き続けるわけでは
ありません。

電波時計に欠かせない「標準電波」

電波時計が正確な時刻を表示するのに
役立っているのが標準電波です。
標準電波とは、誤差が数十万年に1秒という
超高精度なセシウム原子時計から生成される
「日本標準時」の情報を含んだ電波のことを
指します。

標準時とは、世界の基準となる時間のことです。
イギリスのグリニッジ天文台を通る
子午線を基準として、経度15度ごとに
1時間の時差が設定されています。
日本の標準時間は、兵庫県明石市にある
東経135度の子午線です。
イギリスとは9時間の時差があることに
なります。

日本標準時の情報をのせた標準電波は、
福島県にある
「おおたかどや山標準電波送信所」
(周波数40kHz)
と佐賀県と福岡県の境にある
「はがね山標準電波送信所」
(周波数60kHz)
の2カ所から送信されています。
それぞれの周波数が異なるのは、
2つの電波が重なる場所で
電波同士が干渉するのを避けるためです。

標準電波送信局は世界各国に
あるわけではありません。
日本の2カ所以外には、
中国やドイツ、イギリス、アメリカに
標準電波送信局があります。
また、各国で使用する電波の周波数が異なる点に
注意が必要です。
日本の標準電波のみに対応している
製品を外国で使用すると、
時刻表示が狂う可能性があります。

電波時計が正確な時を刻む仕組み

電波時計は、
標準電波送信局から送信された標準電波を、
時計に内蔵したアンテナで自動受信することで、
誤差を修正して正確な時刻を表示します。
より具体的な電波時計の仕組みは、
以下のとおりです。

1.標準電波が、時計に内蔵された
アンテナを通して受信機に伝わる
2.受信機で増幅したパルス信号
(短時間で生じる、
一定の幅を持つ電気信号の波)を
マイクロプロセッサーに送る
3.時刻信号を解析し、正しい時刻に修正する

メンテナンスのタイミングなどを除き、
標準電波は24時間送信されていますが、
電波時計は常に電波を
受信し続けるわけではありません。
1日に数回、決まった時間に
電波を自動受信することで、
時刻を修正しています。

02 | 衛星電波時計とは何が違う?

電波時計と似たものに、
衛星電波時計と呼ばれるものがあります。
衛星電波時計は、GPS衛星から送信された
電波を受信することで、時計やカレンダーなどを
修正するのが特徴です。
衛星からの電波を受信するので、
送信所がない場所や
電波が届きにくい場所でも、
正確な時間を知ることができます。

ただし、衛星電波時計は、
通常の電波時計に比べて電池の消費量が
多くなる傾向がある点に注意が必要です。
消費電力を抑えるために、
標準電波送信局とGPS衛星の電波を
両方受信できる時計もあります。

03 | 電波を受信できないと電波時計はどうなる?

前述したとおり、電波時計は
電池やソーラー発電で動力を得ていて、
電波は時刻の修正に使用するだけです。
電波が受信できない環境だとしても、
時計が止まったり、使えなくなったり
することはありません。
電波を受信できない場所では、
通常のクオーツ時計
(電気の力で水晶を振動させて動く時計のこと)
と同じ精度で使用できます。

また、日本は東西2つの標準電波送信局に
よって全国をカバーしていますが、
電波である以上、
受信しにくい場所も存在します。
家電製品の近くや工事現場、
空港、鉄筋・鉄骨の建物の中、
高層ビルの周辺、高圧線(電線)の近く、
乗り物の中などは、
電波を受信しにくい環境です。
そのような場所で電波時計を使用すると、
精度に影響が出る可能性があります。
その他には、天候や時間帯、
季節といった要因で、
電波が受信できないこともあります。

04 | 電波時計の時刻が狂ってしまうことも

非常に正確な時を刻むのが
電波時計の特徴ですが、
絶対に正しい時刻を刻むわけでは
ありません。
電池不足や針ずれ、磁気帯び、
内部パーツの劣化・故障など、
さまざまなことが原因で
時刻が狂ってしまうこともあります。

電子時計だから大丈夫と考えるのではなく、
定期的に時刻やカレンダー表示などが
合っているのか確認することを
おすすめします。
電波時計が合わない
具体的な原因や対処法については、
以下のページも合わせてご確認ください。

電波時計の時刻が合わない原因は?

05 | 正確な時刻を知りたい方は電波時計を用意しよう

電波時計は、標準電波を受信することで
自動的に時刻を修正してくれる
便利な時計です。
手間をかけずに、
正確な時刻を知ることができます。
正確な時刻を確認できる環境を整えたい方は、
電波時計を用意してみてはいかがでしょうか。

ただし、電波時計が常に正しい時刻を
知らせてくれるとは限りません。
設置場所や使い方によっては、
時刻表示がずれてしまうことも
考えられます。
正しい場所に設置したり、
時刻が合わない時の対処法を
覚えたりすることも重要です。

更新 2024.4.15

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