Story ストーリー
AROMAFUN
秋の深まりを知らせる金木犀の香り、冬至の日のゆず湯の香り、奥深い山で漂ってくる木々の香り…
植物の香りは、季節や場所の変化を感じたり、記憶を呼び起こしたりと心身に働きかけ、とても良い時間を過ごせます。
その植物の香りを手軽に楽しむのに便利なのが、エッセンシャルオイルです。
エッセンシャルオイルは、植物から抽出した天然の香りでできています。
エッセンシャルオイルの効能には、心を落ち着かせたり、
リフレッシュしたり、免疫の働きを強め活性化するなど様々な作用があると言われています。
新型感染症のせいで、なかなか思い通りに生活や移動ができない中、
植物の香りを手軽に楽しめるエッセンシャルオイルは、
心身のリズムを整えるため、大変役立つことに改めて気が付きました。
一方で、必要な時に手軽にエッセンシャルオイルを楽しめる道具が意外とないことに着目し、
私たちリズムは、「くらしのリズムを整える」ことに役立つアロマディフューザーを作ることにしました。
パーソナルな香り
香りの道具を調べると、売場のほとんどはリードディフューザーでした。
香りの瓶にリードを挿すだけで香りを楽しめるため、
最も手軽に使用できますが、一度使い始めると、
香りがしなくなるまでずっと芳香し続けます。
好きな香りであればよいのですが、香りの好き嫌いは人それぞれ。
苦手な匂いの空間にいることは非常に苦痛です。
最近では、柔軟剤の強い香りなどで香害などと言われる場合もあります。
そもそも、香りはとてもパーソナルなものだと再認識しました。
リードディフューザー
ファン式アロマディフューザー
エッセンシャルオイルを効果的に空間に芳香する機械のことをアロマディフューザーと言います。
その方式は様々で、それぞれ長所短所があります。
最も有名なのが、水を霧化して香りを拡散する超音波式です。
霧の様子と香り、ちゃぷちゃぷと水が揺れる音は、とても癒しを与えてくれますが、
毎回新鮮な水を入れる必要があり、徹底的にお手入れをしないと不衛生になってしまいます。
お手入れや準備が面倒で押入れの奥にしまってある人も多いのではないでしょうか。
ネブライザー式は、エッセンシャルオイルをそのまま細かい霧にして空間へ噴霧するため、非常に強い香りがします。
しかし、オイルをそのまま噴霧しているため、機械の周りがべとべとになったり、
香りが強すぎるため気持ち悪くなってしまい、使用するのを途中でやめてしまう人もいます。
AROMAFUNで採用したのは、ファン式です。
アロマパッドにオイルを垂らし、そこにファンで発生した風を当てることにより、
オイルの香りを気化し拡散する方式です。
エッセンシャルオイル本来の香りを楽しむことができ、何より、火や水を使わず、
手も汚れないので、最も手軽に、しかも本格的に香りを楽しむことができます。
私たちは、植物本来の香りをパーソナルで手軽に楽しめるファン式アロマディフューザーに可能性を感じ、
より深く研究することにしました。
アロマディフューザーの方式
所作まで美しく
市場にあるファン式アロマディフューザーは、
ふたを開け、ふたを置き、オイルを垂らし、ふたを閉じ、電源ボタンを押して…と、多くの動作を経て、
ようやく香りが放たれるものがほとんどです。
放出される方向は真上を向いていることが多く、香りがどこに届くか分かりません。
香りを楽しむまでの工程が多く、どこか違和感を感じます。
一言でいうと「粋」ではないのです。
香りを楽しむ時間はもっと良い時間であるべきです。
元来日本には、香道をはじめとした香りを楽しむ文化が脈々と受け継がれているはずです。
しかし、エッセンシャルオイルは最近日本に輸入され始めたこともあり、
日本の美意識で仕立てられたアロマディフューザーというものがまだないのかもしれません。
そこで、植物本来の香りをパーソナルで手軽に楽しめるファン式アロマディフューザーを徹底的に観察し、
日本の美意識で仕立てなおすことにしました。
極限まで無駄を省くため、ふたにヒンジを設けることで、
ふたを開ければ自動で電源が入り、オイルを垂らせば香る。
ふたを閉じると電源が止まり、香りを閉じ込められる。
一連の動作を観察し、極限まで要素を減らし、整える。
所作まで美しく、AROMAFUNが出来上がった瞬間でした。
無段階に調節できるふた
香りを楽しむ佇まい
要素を極限まで減らした後、最後に特長的な足を付けました。
参考にしたのは同じ香りを楽しむ道具、香道で使用される香炉でした。
にゅっと生える足が何とも言えない存在感があります。
香炉の足は本来3本ですが、
実際にAROMAFUNで3本の足で検証を進めるとちょっとしたことで転倒しやすいことに気づきました。
そこで、現代の日常でもっと手軽に使いやすく佇むため、
あえて4本の足を与えました。
香炉のような足
くつろぎのひととき
昔の時間で2時間は一刻、ひとときと言われています。
アロマファンは、USB接続をすると2時間で電源が切れるように設計しています。
それは、まさにひとときの良い時間を過ごしていただきたい時計を生業とした私たちの哲学の表れでもあります。
くつろぎのひとときをお過ごしください。